Gaku Architect Studio ~ 岳設計工房

第5回
佐野市水と緑と
万葉のまち景観賞
受賞作品

岳設計工房 事務所
既設を尊び、過去から未来へつなげるデザイン

先祖から受け継がれた土地・植栽・物を継承し活かすことを重点におきながら、住宅の敷地内に新たに弊社事務所を増築しました。
既設住宅との距離や日射などに影響する高さを抑えつつ、設計事務所という象徴的な建築になるようデザインしています。
また、既存の門周りを再整備し駐車場を確保するにあたり、住宅地の景観に調和するように塀や駐車スペース・アプローチ・前庭を計画しています。

場  所 栃木県佐野市堀米町
用  途 事務所(併用住宅~別棟)
時  期 2014年10月~2016年10月
工  法 木造在来軸組み工法
規  模 平屋建て
敷地面積 1227.46㎡
面  積 47.52㎡事務所部 別棟増築
工事請負 ㈲須藤工務店(佐野市白岩町)

【ファザード計画~二つの要素とボリューム構成】 寄棟の薄い屋根が重なり合う特徴的な建築です。
手前のゾーンは集うこと主軸においたミィーティングスペース、奥に事務所スペースのボリュームとなっています。
ミィーティングスペースはゆとりある空間とし、事務所スペースは高さ方向を有効につかいデザインしてあります。

【アプローチ空間とポーチ空間】 来客者がアプローチする空間を豊かに演出しました。
駐車スペースを降りると建物の軒下と一段あがったステージに導かれます。
リズムカルな列柱横をすり抜けながら、正面の大谷石の壁面に近づいていけば、自然に入口のドア前までアプローチできます。

【岩舟石~再利用】 この石は、約90年前に建主の4代前の家主が家を新築する際に利用した「基礎石」です。
19年前にその建屋を壊して家を建てかえた際、沢山の岩舟石が出てきたので、外構などに利用する目的で保管しておいたものです。
今回の計画では進入口の高低差を解消する為の「土留」と「鑑賞用の庭」に再利用しました。
不ぞろいをそのまま活かし荒々しく並べることで、人が踏み入れない「場」をデザインしています。

【柿木~線でつなぎ活かす】 この柿木は、約40年も前からこの地に根付き、ある時は秋の実りとして、またある時は犬の木陰として、家族に暮らしの豊かさと思い出を与えつづけてくれていました。
保存するにあたり単にその風景を残すことよりも、柿の木の位置から導かれる新しいデザインを考案することで、過去の取り残された形ではなく、新たな建物との一体感を演出し、双方が活きることを考え計画しています。

新築建屋の室内からみえる借景には、軒先とアプローチからつながる「軸」に柿の木が据えられています。
以前は敷地の片隅に佇んでいた脇役な樹木でしたが、あたかも新しく植えられたようなシンボリックな柿木となりました。

【外構照明計画】 屋根が薄く、軒が深いこの建築を映えるようにグランドレベルからの照明を「軒」や「壁」に当て演出しております。
明暗センサーとタイマースイッチをつかい、暗くなったり、指定の時間に点灯するように設定してあります。
岳設計工房の「顔」として、宣伝灯のような印象になるよう、植栽計画と合わせて外構照明計画をデザインいたしました。

関連動画


  • 岳設計工房 外観1
    前庭とアプローチ。

  • 岳設計工房 外観2
    前庭近景。