かとう整骨院増築計画
開業しながらの大規模増築リフォームで印象的な整骨院へ
築10年ほどの整骨院店舗併用住宅です。
お子様の成長と共に、手狭に成った住宅部の増築をいたしました。
既存住宅を拝見しヒアリングを繰り返し行い、収納の確保の仕方や暮らしの提案をさせて頂きました。
1階部は整骨院になっており、開業しながらの工事を行います。そのため、施工計画までを含め綿密に計画を進めました。
場 所 | 栃木県佐野市堀米町 |
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用 途 | 整骨院併用住宅 |
時 期 | 2012年2月~2014年12月 |
工 法 | 木造在来軸組み工法 |
規 模 | 2階建て |
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敷地面積 | 639.89㎡ |
面 積 | 274.44㎡ 増築部 75.91㎡ |
工事請負 | ㈲須藤工務店(佐野市白岩町) |
■ 外観デザイン
開院当初のお店の佇まいを変更するにあたり、整骨院の上に載る増築の住宅部が「巨大」な構造物にならないように注意して形状をデザインしました。
屋根のラインは、前面道路からの景観に圧迫感を与えないよう配慮し、建物に近づくにつれ大きな軒下に導かれるような形状の庇としてあります。結果として軒が大きく伸びる大胆な屋根形状となりました。
また、医院の顔となる正面には2階住宅部の窓の存在を消しつつ、採光と風を取り入れるデザインとなっています。
■ セカンドリビングと構造的解答
2階のメイン空間が外部空間とつながることで開放的な豊かさを演出しております。東西に設けたスリットの窓からは、光が降り注ぐ光あふれるセカンドリビングです。
課題であった収納力は、西側全面に収納が設けられています。
1階の梁は鉄骨梁を利用しており、整骨院内の無柱空間が本改修の難しいところでした。
2階より上の荷重の負担を減らす為に、柱が多い南北のブロックに荷重を逃がすよう計画し、屋根の形状と1階の構造要素から木造トラスを採用しました。
■ 暮らしの心地良さ
1階の大きなリビングダイニングは、家族の集う空間になっていますが、日中は通院者の目線をカットする為にカーテンは常に閉まり、比較的閉鎖的な室内空間になっていました。
外の空間とのつながりが豊かさのひとつと考え、大きなバルコニーを2階の南東の方角に設け、外を大きく内部に取り込みました。
季節の良い時期にはBBQなどを催しているようで、家族団欒の一助になっているようです。
■ 個性溢れる部屋
夫婦それぞれが、父から、母から、そして経営者から「個」に帰れる場所。
そんな個人の為の自由な空間が実現しました。
趣味のルアーづくりに対応したコーナー、雑貨をディスプレイする空間づくり、息抜きができる自分に帰れる場所です。
■ 洗面コーナー
使いにくく狭い1階の洗面脱衣室を補完する意味と、2階リビング周りの利便性を向上させるために、リビングへの動線上にスタイリッシュな洗面造作家具を設置しました。
スペースが雑多にならないよう的確に収納できるよう計画デザインされています。